鋭く突きつけた、藤原新也の牙
時代の流れを激情と静寂を持って切り裂きます。
東京漂流 |
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1983年 情報センター出版局
1995年 朝日文庫 (新版)
1990年 新潮文庫 (新版)
連載中、第6回で打ち切りになった作品を単行本化しました。
新也節、炸裂。
墓につばをかけるのか
それとも花を盛るのか
(目次)
豚は夜運べ 2つの十戒 旅の氷点 小さな黒魔術
善行潮流 青天白日 飢渇前線 熱狂 長い喜劇
アップルパイ家族の家訓 熱界雷 東京漂流
ニンゲンは犬に食われるほど自由だ
これはつばの作品。対:メメント・モリ
『新版・東京漂流』では、単行本には収録されてない、
「リカちゃんの納経」「東京漂流・ザ・デイ・アフター」語り下ろしと、
例の「人くえば、鐘は鳴るなり法隆寺」の写真が2パターン。
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乳の海 |
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1986年 情報センター出版局
1995年 朝日文庫
高揚の1960年代はしらけの70年代を生み、
同じく80年代は90年代を生み落とした。
80年代の霧のように立ち篭め始めた
日本固有のソフトな超管理社会を漂流し
ついに自我喪失に至った青年は、
90年代には自己回復の荒療治としてカルト宗教に走る。
80年代を土台に魔境の90年代を読むための「予感の書」
(目次)
機械じかけの聖母―プロローグ
風の犬
青年のチワワ
朝のパルス・山犬の夜
イノセントランド行き・涙の連絡船
イエローボイス・エッセイ
0.3秒の沈黙
桃の栽培
トム坊やの自閉的な冒険
子宮サイズの馬之助
義眼の犬
消える蛇―エピローグ
TV版があったそうな…見たいね。 |
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幻世 |
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1987年 講談社
1990年 講談社文庫
この世はあの世
(目次)
空芯菜
ガリーデス・メ・サルツアの夢
距離のない橋
写真週刊誌論
妊婦は美しいか醜いか
リンゴの頬っぺの謎
情報神経系の時代
テレビの虚像と「群衆」の論理
玉姫様
退化ブリッ子
魚の群が騒ぐ
フォーカス現象
テレビ香具師〔ほか〕
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丸亀日記 |
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1988年 朝日新聞社
1993年 朝日文芸文庫
新也は亀になりました・・・
ホノボノの内にイッパイの棘が刺さります。
(目次)
酔亀 E電 都市の虫 再び枕について
まぶたの猫 モーニングシャンプー 花の力
刺のさとり 刺のさとりについて いずこ鳥
丸亀風変則料理講座 極楽商売 雨の祭り〔ほか〕 |
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ノア−動物千夜一夜物語- |
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1988年 朝日新聞社
1998年 藤原新也の動物記(改題)朝日文芸文庫
魑魅魍魎の国で会った精霊たちとの奇妙な交感。
聖なる野良牛の福音
世界最貧の犬
猿の顔を見つめよ
(目次)
月下の驢馬 世界最貧の犬 救命魚
毒蛇の伴侶 幸福の海豚 牛歩来
ミッドナイト・ピーコック ノア |
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平成幸福音頭 |
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1993年 文藝春秋
1998年 僕のいた場所(改題)文春文庫
間違いファクスが元で潜入した秘密の会合。
見知らぬ男から打ち明けられた風変わりな身の上話。
動物園では聖者然としたオランウータンと目が合って…。
藤原新也の行く先には偶然か必然なのか、
奇妙な事件、心暖まる人やユーモラスな動物との出会いがある。
時間と空間を自在に旅して描かれたエッセイ集。 |
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藤原悪魔 |
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1998年 文藝春秋
2000年 文春文庫
天使のまゆげ
私が病気の猫を飼いつづけたのは他人が思うように
自分に慈悲心があるからではなく、
その猫の存在によって自分の中に眠っている慈悲の気持ちが
引き出されたからである。
つまり逆に考えればその猫は自らが病むという犠牲を払って、
他者に慈悲の心を与えてくれたということだ。
マユゲ犬の伝説
時間長者
天空の音楽
哀愁のブレックファースト
イギリスの普通の窓からの眺め
アイルランド・シチュー
神話
エンパイヤステートビル八十六階の老女
島の歌
山手線一周手相マラソン〔ほか |
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映し世のうしろ姿 |
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2000年 新潮社
ヒトはなぜヒトを殺してはいけないのか。
少年犯罪、変容する母子関係、デジタル化社会、生と死……。
現代日本の病巣が一挙に露呈したこの世紀末ニッポンの"うしろ姿"に垣間見える実像を、写
真とエッセイで鋭く切り取る待望のエッセイ集。
そしていま、『メメント・モリ』を読み解く鍵でもある、そうだ。 |
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